一日を終えるころ、部屋には昼間の気配がまだ残っています。
照明を落とし、食器を片づけ、明日のためにひとつだけ準備をする。その最後に香りを焚くと、夜の始まりが少しわかりやすくなります。
香りは眠りのための道具というより、「もう今日はここまで」と自分に伝えるためのもの。
短く焚いたお香を消して、残り香のなかで本を開く。そんな順番があると、画面を見続けていた目も自然に休まります。
毎晩同じ香りでなくて構いません。静かに過ごしたい日、少し気分を変えたい日。その日の夜に似合うものを選ぶ余地があるほうが、続けやすいはずです。
一日の終わりに、部屋と気持ちの明かりを少し落とす。香りがその合図になればうれしいです。

